鴫　直樹　
国立研究開発法人産業技術総合研究所・生命工学領域・副ラボ長

　生物の生存に不可欠な硫黄化合物の合成、分解、および代謝的相互作用について、生化学・タンパク質化学の立場から包括的に理解することを目的として研究をすすめています。RNA硫黄修飾塩基の生合成過程には、過硫化硫黄という形で硫黄原子を受け渡していく運搬系があることをこれまで見出してきました。本研究では、代表的な2種の運搬タンパク質群 (ペアスルフィド型とチオカルボキシレート型) の機能発揮の分子基盤の解明をめざします。無酸素実験装置を活用した生化学手法とNMR構造分光学手法などを組み合わせてアプローチすることにより、硫黄化合物の代謝機構を支える活性化硫黄転移機構に共通する基盤的特徴を理解し、その生物学的意義・多様性 ・進化について考察していきます。

研究協力者

徳永裕二　（東京大学・大学院薬学系研究科薬学部・助教）

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