本橋 ほづみ 東北大学加齢医学研究所・教授
ミトコンドリアでは、ミトコンドリア型システイニルtRNA合成酵素であるCARS2により超硫黄分子が活発に産生されています。CARS2が産生する超硫黄は、ミトコンドリアの膜電位維持に重要な役割を果たしており、ミトコンドリアに存在する硫黄酸化系の作用で亜硫酸、チオ硫酸、もしくは硫酸イオンとして排出されます。ミトコンドリア硫黄酸化系の抑制は膜電位を低下させることから、超硫黄の酸化的排出過程が電子伝達系と膜電位形成に共役していることが強く示唆されますが、その詳細は不明です。本研究では、ミトコンドリアの電子伝達系における超硫黄分子の役割を解明し、酸素利用の効率化における超硫黄の必要性とその酸化的排出過程の意義、低酸素環境でのエネルギー代謝における超硫黄の貢献を明らかにすることを目標とします。
研究分担者
伊東 健(弘前大学大学院医学研究科・教授)