魏 范研 東北大学加齢医学研究所・教授
近年、多彩な化学修飾がRNAに見出され、転写後遺伝子発現の新たな制御機構として注目されています。興味深いことに、RNA修飾のうち、超硫黄を起源とする修飾が多数存在し、これらの硫黄修飾は細菌から哺乳動物まで進化的に保存されており、タンパク質翻訳の制御に不可欠であることが明らかになりつつあります。本研究では、ミトコンドリアに局在する一群のトランスファーRNA(mt-tRNA)に焦点をあて、これらmt-tRNAに存在する硫黄修飾を制御する因子の同定や硫黄修飾の調節によるミトコンドリア代謝機能の制御を試みることで、ミトコンドリアRNA硫黄修飾の分子基盤とその生理意義の解明を目指します。