A02:超硫黄分子をめぐる電子フラックス

石丸 泰寛           東北大学大学院工学研究科・准教授

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 植物は唯一の炭素源の生産者であり、光合成の電子伝達系の全貌を解明することは、持続的可能な食料確保や地球環境の保全に重要です。光合成の進化的なプロトタイプは、紅色硫黄細菌や緑色硫黄細菌などの光合成細菌が営むもので、硫化水素を電子供与体として利用しています。最近の研究から、現代の高等植物においても類似した反応で超硫黄分子が光合成に利用されている可能性が示唆されていますが、その詳細な分子機構はほとんど理解されていません。本計画研究班では、現代の植物が営む光合成の電子伝達系における超硫黄分子の役割を解明して、新たな光合成のメカニズムを提唱します。さらにこれらの知見に基づき、光合成のエネルギー生産効率を最適化することを目指します。

研究分担者

河野 優(東京大学大学院理学研究科・助教)
浅井 智広(中央大学理工学部・准教授)