CATTI LORENZO
東京工業大学・科学技術創成研究院・助教
新種の硫黄化合物として近年、複数の硫黄原子が直鎖状に連結した「超硫黄」が生物学および医学の分野で注目されています。超硫黄およびその関連化合物は、その高い反応性のゆえに従来法では検出が困難でありました。本研究では、超硫黄の生物学的機能を合成化学的アプローチで解明するため、自己組織化によって精密合成した 水溶性の「超分子カプセル」を活用して、人工および生体環境での(1)超硫黄の効率的捕捉と高安定化 および(2)超硫黄の高選択捕捉と高感度検出 に関する新技術を開発します。さらに、新規な超硫黄薬剤を目指して(3)超硫黄の放出機能を有する刺激応答性の超分子カプセルを開発します。当研究室で開発した、芳香環パネルに囲まれたナノサイズ空間を有する超分子カプセルを基盤として、前例のない「超硫黄の分析ツール」を開拓すると共に、幅広い研究者が実用可能なカプセルツールの確立を目指します。
研究協力者
吉沢 道人 (東京工業大学・教授)