村上　一馬　
京都大学・農学研究科・准教授

　硫黄生物学のさらなる普及には、抗体を用いた簡便な検出系の確立は欠かせません。しかし、硫黄は酸素に比べて分極誘導が起こりやすく原子半径が大きいことから、直鎖状に連結した硫黄カテネーションに対する抗体は作製しにくいという課題がありました。そのような中、研究代表者らのグループが専門とする核酸アプタマーは、負電荷が多く、構造多様性が高いことから本課題の打開策になると考えています。Cys残基をもつアミロイドタンパク質に着目し、アプタ抗原としてCys超硫黄化アナログを設計・合成します。さらに、生体直行型反応と相性のよいアプタマーテクノロジーを駆使することでエクソソームに含まれる超硫黄分子を定量します。これらの化学ツールを用いて他の領域内研究者と連携しながら、新たな診断法や治療法を指向した実用化研究へと展開することで、学術変革を目指します。

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