岡田 太
鳥取大学・医学部・教授
遺伝子変異に基づく家族性(遺伝性)発がんを除き、大部分を占める一般がんは遺伝毒性と細胞増殖に起因すると考えられています。この一般がんの原因として、活性酸素や活性窒素などの活性分子種(フリーラジカル)の関与が古くより提唱されてきましたが、“活性硫黄分子種”がフリーラジカルの抑制分子種として上方支配するだけでなく、普遍的な生命素子として生体機能を制御する実体が浮き彫りになるにつれ、“活性硫黄分子種”は、従来の“フリーラジカル発がん”を上方制御する真の発がん決定分子種となる可能性が出てきました。本研究は、これまでフリーラジカル発がんと明確な因果関係を示してきた“炎症発がん”モデルを用いて活性硫黄分子種の発がんに占める意義の解明に挑みます。
研究分担者
尾﨑 充彦(鳥取大学医学部実験病理学分野・准教授)