小金澤 禎史
筑波大学・医学医療系・准教授
硫化水素は毒ガスとして知られていますが、近年、体内で合成された硫化水素および超硫黄分子が様々な生体システムの調節に関与していることが明らかになってきています。これまでに、研究代表者は、脳内での硫化水素の合成が、正常な呼吸運動の形成と維持に必須であることを見出してきました。しかしながら、呼吸運動の起源となっている呼吸中枢において、硫化水素および超硫黄分子が具体的にどのように脳機能を調節しているのか、その詳細は未だ明らかになっていません。そこで、本研究では、呼吸中枢における硫化水素および超硫黄分子が、呼吸中枢のニューロン活動調節に果たす役割、さらに、それに基づいて呼吸中枢の神経回路網の時空間ダイナミクスをもたらす機構を明らかにすることを目指します。