A01：有機合成化学的手法を活用した多様な超硫黄化合物の合成と特性

有澤 美枝子　
九州大学・農学研究院・教授

　研究内容：硫黄が複数連結した超硫黄化学種の特異な生物学的機能や薬効を理解する目的で、化学合成は大量供給や標識化、新規な機能性骨格の創生において重要な役割を果たします。本研究では、遷移金属触媒を活用して、超硫黄化学種の化学合成、グラムスケールでの大量供給、低極性 S–S–S 結合の選択的な化学修飾による標識化＆機能化などを実施予定です。加えて、生体内における硫黄 S8 の存在と役割が解明されつつあることに着目して、硫黄 S8 と周期表で同族のセレン Se8 を利用した合成研究を行い、生体内における識別と応答を比較しながら解明するための合成化学的基盤を創生したいと考えています。