西山　和宏　
大阪公立大学・大学院獣医学研究科　・准教授

　硫黄代謝物の定性・定量技術の発展により、反応性に富む直鎖状に連結した硫黄原子(超硫黄分子)が生体内に豊富に存在し、生体機能に必須であることが明らかになりました。しかしながら、超硫黄分子の体内動態（臓器への分布および細胞への取り込み）および生理機能への影響については不明な部分が多く残されています。本研究では、紅色細菌から発見された超硫黄分子センサータンパク質であるSulfide-responsive transcriptional repressor (SqrR)を利用した新規のタンパク質ベースの超硫黄分子プローブを開発し、超硫黄分子のリアルタイムでの体内動態の解析を目指します。加えて、CRISPR Cas9 screeningを利用して、超硫黄分子を細胞に取り込むトランスポーター遺伝子を探索し、超硫黄分子の取り込み機構も明らかにしたいと考えています。これまで確立された超硫黄分子計測系の蓄積された情報と本研究で得られる生体内リアルタイム超硫黄動態の情報を統合することで、より詳細な生体内での超硫黄の計測が可能となることが期待されます。

研究協力者

東　泰孝　（大阪公立大学大学院　獣医学研究科・教授）

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