椎葉 一心
学習院大学・理学部・助教
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近年のオルガネラバイオロジーの発展はめざましく、各々独立した小器官ではなく、2つないしは3つのオルガネラ同士が接触し、カルシウムや脂質などの物質輸送を介して互いにコミュニケーションをとることが明らかにされました。例えば、ミトコンドリアと小胞体のコンタクト領域はMitochondria-associated ER membrane (MAM)と称され、ミトコンドリア分裂部位の決定に関与すること、オートファゴソームの隔離膜形成に関与すること、さらに自然免疫応答のシグナルの足場として機能することなど多彩な役割が次々と明らかにされています。本研究では超硫黄分子に関連する様々な現象の新たな反応場として「オルガネラコンタクト」に着目し研究を展開します。